「大型ディスプレイ&デジタルサイネージ総覧2017」特別寄稿


空中結像 -スクリーン不要のバーチャルリアリティ-

リアル (実体物)とバーチャル(グラフィック)の融合

スクリーンレスであることは、リアルとバーチャルを融合できるという特徴を持つ。これは、空間上の三次元座標軸において、同じ座標位置に実体物とグラフィックを重ね合わせることができるということ。例えば、ローソクを例にとって説明してみよう。 ローソクは、芯が接続された蝋で出来たボディと、芯の周りを囲うようにメラメラと燃える炎で構成されている。このローソクからいったん炎の部分を消しさり、別途グラフィックデータとして炎の動画イメージを用意する。ローソクの芯の座標位置に炎の動画イメージを重ね合せると、あたかもローソクは本物の炎が燃えているように見えるのである。
弊社はMAGIC CANDLEというデモを作成し、バーチャルな炎が燃えるローソクは誰の目でも違和感なく見えるのかを調査した。

何名かのお客様に体験して頂いたが、お客様はローソクのボディと炎のどちらがリアルでバーチャルかを区別できずに混乱していた。バーチャルかどうかを確認しようと炎やボディに触れ、ボディのみ触感を感じてリアルであることに驚く。「炎がバーチャルなら、ボディもバーチャルかもしれない。」その思い込みと実際に触感を感じた時のギャップが大きい程、感じる驚きや感情の動きも大きくなる。 
他にも、バーチャルな炎にはエフェクトを加えることもインタラクティブ性を演出することも可能である。 指で炎に接触すると、突然爆発し、爆発の中から妖精が生まれる、といったような現実では起こりえない現象(ファンタジー)を演出することで更に驚きが生まれる。