第一回AirWitchの空中ディスプレイ(空中結像)のしくみ

空中ディスプレイ(空中結像)技術について仕組みがよく分からないという方へ

空中ディスプレイの仕組みを知りたいという方向けに、全2回に分けて説明しております。
 
再帰反射方式を用いたAirWitchの空中ディスプレイについては、当ページ(別ウィンドウ)でも簡単に説明していますが、もう少し詳しい説明が欲しいという方の為に別の切り口で説明してみようと思います。
 
→第二回 液晶ディスプレイを用いた場合の原理説明はこちら

1.まずは凸レンズでの実験

空中ディスプレイの話をする前に、凸レンズでの実験を一つ。
下のイラストにはひつじ君と凸レンズが描かれています。
市販されている凸レンズ越しに下のひつじ君を見ると、ひつじ君はどのように見えるでしょうか?
*凸レンズをお持ちの方は試してみてください。
凸レンズでの実験

ひつじ君を凸レンズ越しに見ると、ひつじ君は逆さまになって見えます。
では次に、逆さまになったひつじ君は、凸レンズに対して手前方向(ヒト側)に映っているでしょうか。それとも後方向(ひつじ君側)で映っているでしょうか。分かりますか?

そうなんです。
ひつじ君は手前方向に映っていることが分かると思います。
 
実は、レンズ越しに見ているひつじ君は、自分の目とレンズとの間の「空中に結像」されています。そして、私達の目は「空中に結像している像」を見ているのです。注意深く見てみると、レンズよりも手前側に(自分の目の)ピントを合わせているのが分かると思います。
実際にピントが合っている位置にスクリーンを置いてみると、スクリーン上に像が浮かび上がります。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?それでは次のイラストを見てみましょう。

私達の目は、物体を見る時、実はその物体が反射する光を見ています。
物体としてのひつじ君が反射した光は、凸レンズを通して屈折します。
光は直進性が高いので、凸レンズの線対称の位置で交差します。
ひつじ君が反射する全ての光はレンズを通して上図のように交差することで、凸レンズの線対称位置に実像を形成します。光学的な複写ともいうべきでしょうか。
この光の屈折をミクロ単位で制御することで、空中に像を映し出しています。
 
今日はここまで。次回は、 液晶ディスプレイを用いた場合の結像方法について